第70回全日本体操競技種目別選手権大会(6月4~5日、東京・国立代々木第一体育館)が開かれ、徳洲会体操クラブ9選手が出場した。同大会は8月のブラジル・リオデジャネイロ五輪の日本代表最終選考会も兼ねおており、大会終了後に日本代表5人が発表。残念ながら同クラブの選手名はなかったが、日本代表候補選手に齊藤優佑が選出された。大会では4人が表彰台に上がった。

期待の亀山は涙止まらず

美しい演技で観客を魅了する亀山(左)と田中

美しい演技で観客を魅了する亀山(左)と田中

「欲しいものを得る過程のなかで、いろいろな人に支えられ本当にありがたいという感謝の思いがあったので……」。目を真っ赤に腫らした亀山耕平はそう言うと、あとは言葉にならなかった。シャツの裾で何度も拭うも、あふれる涙が止まらなかった。

代表入りには、きわめて厳しい条件をクリアしなければならなかった。春からの選考会の結果をふまえ、亀山は決勝で優勝のみならず、16.600と驚異的な点を出さなければならなかった。「つり輪と跳馬の貢献度で入ってくると思われた選手がNHK杯の平行棒でも高い点数を出したため、1種目で勝負する亀山は苦しくなった」(新宅裕也コーチ)。

それでも亀山は演技構成で難度の高い「ブスナリ」の連続を含む10の技を織り込むなど攻めた。難しい技と美しい演技で観客を魅了し、着地の瞬間、大きな拍手が起こったが、途中で一瞬、足が台に触れるなどして結果は15.800。代表には届かなかった。

「この4年間、これ以上できないというほど練習をしてきたので悔いはありません」と亀山。今後については「今は何も考えられない。オリンピックが終わってから考えようと思っていたので」。それでも「徳洲会の皆さんには本当にお世話になっているので、何らかの形で恩返ししたいと思います」と声を振り絞った。

この日、代表候補選手4人も決まり、齊藤優佑が選出。代表候補選手は代表選手が故障などで五輪に出場できなくなった時に代わりに入る。ただし、現地に帯同できるのは2人で、五輪直前に決定する。齊藤は「いつ声がかかってもいいように準備したい」。米田功監督は「改めて五輪に出ることの難しさを痛感しました」と絶句。「ロンドンからリオに向けてクラブを託された身としては本当に申し訳ないし、クラブのOBとしても悔しい」と唇をかみしめた。

最後まで声援を送り続ける大応援団

最後まで声援を送り続ける大応援団

今大会では、つり輪で優勝した武田一志をはじめ、あん馬で亀山、平行棒で主将の田中和仁がそれぞれ2位、床で佐藤巧が3位と、4人が表彰台に上がった。田中は15.600と高得点を出しながらも、「体の調子やチーム事情によってまだわかりませんが、今大会でひと区切り付けたいと思っています」と一線を退く意向を明かしたが、多くのファンからは「東京五輪まで現役を続けて」と続投を期待する声が上がっている。

徳洲新聞2016年(平成28年)6/13  NO.1035 より