―リオ五輪が迫ってきました。15年の目標は?
米田:とにかく選手が日本代表に入ること。五輪に出て金メダルを日本にもち帰ることが、徳洲会にとって大事です。アテネ五輪の時、徳洲会関係者が本当に喜んでくれました。あの光景をもう一度見たいんです。
現実的な目標は2人以上です。日本代表の下のナショナル選手は12人中半数を占めたいと考えています。そうなれば体操界での影響力も大きくなるでしょう。
―各選手のポイントは?
米田:主将の田中は、6種目すべてで失敗しないこと。今までは圧倒的な強さで多少失敗しても代表に入っていましたが、オールラウンダーの強い選手が複数いる今、得意種目で挽回するといった勝負はできません。
亀山は、あん馬を完璧に仕上げること。結果を出しているので、今までしてきたことを継続する忍耐と、絶対に勝つ執念が鍵となるでしょう。
齊藤と山本は、チームの浮沈がかかっているというくらい大事な役割を担っています。本人たちも自覚していると思いますが、とにかく結果を出すことです。
佐藤は、14年から床、つり輪、あん馬の3種目に絞り、グンと伸びました。亀山もそうですが、特定の種目を正確に演技できれば代表に入れるし、しかも日本に不可欠な存在になれる。佐藤の挑戦は、これまでオールラウンダー重視の日本体操界の可能性を広げることだと思っています。
瀬島は、僕が監督に就任してから初めて入職する選手で、今までのやり方を見ていないということもあり、試行錯誤の一年でした。15年はもう少し的確なアドバイスを送れるでしょう。
―練習法など変更は?
米田:状況によって時間や課題を増やしましたが、根底にある大切なことは“意識”です。「なぜ」、「何のために」、「どうなりたいか」など、目的意識がないと、練習の時間や量を変えても意味がない。結局、勝負のちょっとした差は意識の差に出てきます。僕は現役の頃、日本代表に入ることしか考えていませんでした。その気持ちがあれば、大切な時間の使い方は自然とひとつに向かいます。練習なんて何てことはない。できないことがあっても、そこで気持ちを振り回されて1日を無駄にしたりはしませんでした。
14年11月に合宿を行い、「トップであり続けるチームになるためには」というテーマで何が必要かを皆で考えました。僕自身、当クラブの低迷の要因のひとつに、「徳洲会体操クラブはこういうクラブだ」ということを後輩に受け継いでいなかったことだと感じています。伝統あるクラブに成長するには必要な取り組みだと思っています。
―監督のテーマは?
米田:「日々勉強」です。結果を出せる指導者に早くなるには勉強あるのみです。
―最後に応援してくれる方にメッセージを。
米田:15年のキャッチフレーズは「復活の狼煙(のろし)を上げる」。徳洲会がどう強くなっていくかを見てほしいと思います。