〜市立体育館内青年会館ホールで講演会とトークショー!〜
1部では「体操ニッポン復活の軌跡」をテーマに塚原先生が講演会。
「何事も継続が大切」、
「常に緊張との戦い」、
「健康管理の大切さ」
が語られました。
選手たちが試合で披露する華麗な演技は、基本を始めとする日々の地道な練習の積み重ね。
一つひとつの技にどれだけ時間を費やしているか。そう考えると試合の観戦も変わり、応援にも自然と力が入ります。
日本代表として海外で試合に出場すれば、周囲の期待や緊張からオーバーワークを繰り返して体調崩すこともあるそうです。それがオリンピックとなると……。日頃の自己管理ができることも代表選手に求められる必須条件なのだと考えさせられました。
ほかにも、あのアテネに到るまでの軌跡が話されました。
「とにかくチームが明るかった」と強調。厳しい合宿中に自然と培われたというチームワークと明るさ。恐らく1種目目を乗り切り、最終種目を最高の形で締めくくれたのも、そのお陰なのでしょう。最終種目後のチーム全員の笑顔を、思い出さずにはいられませんでした。
跳馬では踏み切りの際に体重の20倍の力がかかり、鉄棒のフィニッシュでは5mの高さから飛び降りる、数々の技はトレーニングを積んで可能になる……。
また、体操選手は明るい性格でなければダメだともおっしゃっていました。毎日の地味な練習を乗り越えられないからだそうです。
五輪では、国中の期待から相当なプレッシャーを感じるそうです。出身大学〜小学校での壮行会、出身地や親族の見送りなどを経て、選手はひしひしと重圧を感じ始めるそうです。開幕1週間前には、精神的重圧から不眠や体調不良などに襲われ、普段はしない失敗まですることも。
決勝の最初のゆかで大きなミスなく終えましたが、選手たちは緊張の極限状態だったそうです。アテネのメンバーはよく頑張ったとおっしゃっていました。
10分ほどの休憩をはさみ、2部は塚原先生に加え、塚原直也、米田功、水鳥寿思、中野大輔選手のアテネ組に加え、若手のホープの中瀬卓也選手、地元熊本出身の桑原俊選手によるトークショー。
アテネ組の4人は団体金メダルを首に掛け、水鳥選手はメルボルンの銀メダルも掛けていました。
トークは、体操を始めたきっかけ、印象に残っている試合、塚原先生の印象、女性との交際(!)などなど。
Q 体操をはじめたきっかけは?
桑原: 父親が体操選手だったので、気がついたら体操をしていました。
中瀬: 始めはサッカーをやっていました。体操を習い始めた友だちが、砂場でバク転とかをしていたので、自分も真似しているうちに、「体操をやらないか」と誘われました。
Q 心に残った試合は?
米田: アテネ五輪。中でも最後の鉄棒より最初のゆか。楽しくできた予選とは打って変わって、決勝は張り詰めた雰囲気。初めて試合で恐怖感を味わいました。(塚原選手も正気を保つのが大変だったそうです)
桑原: 初めての国際大会で、メダルをとれた試合。
Q 皆から塚原先生にひと言
(皆、緊張しながら・……)
中瀬: 初めてかけてもらった言葉が、「きみが中瀬シュン君か?」 (僕ってその程度か……と思ったそうです)。
米田: アナハイムに補欠で同行したときに、アテネの絵が描かれた扇子をもらい、 「今度はアテネに一緒に行こうね」と声を掛けてもらったのが嬉しかったです。
Q 恋愛について
(塚原先生は奥さんと学生時代から大恋愛だったというエピソードから、この話題に)
米田: (どぎまぎした様子で)北京に向けて努力しているので、あまり脱線しないように気をつけています。
水鳥: どうしても体操が優先になるのでビミョーというか……。付き合い方がよくわからないです。
桑原: 体操で行き詰ったりすると気分が暗くなるので、そんな時に支えてくれる人がいたらいいなと思います。今はまだそんな状況にはなっていないですけど。
中瀬: 僕はモテないんで(ここで司会者から、皆にアピールして下さいよと言われ)。名前は中瀬卓也といいます。(バレンタイン前だったので)チョコレートお待ちしています。会社に送って下さい。
Q 北京に向けて、そして熊本の皆さんにひとこと
米田: 年齢的にも、北京という場所も、キツイ面がありますが頑張ります!よく、俊が熊本のお土産に「陣太鼓」を買ってきてくれます。陣太鼓は好きなので、買って帰ろうと思います。
アテネの団体決勝のゆかで緊張の只中にいた塚原、米田、中野の3選手の中でも、塚原選手の緊張は大変なものだったそうです。塚原選手は幼い頃、歯の治療で気絶したことがあり、あの1種目目一番手で臨んだ時、それに似た緊張が襲ってきたそうです。ホントに気絶しそうだったんですね。
相反しますが、話のやり取りを聞いていると、選手の皆さんからは「すごいオーラ」と「気さくさ」を感じました。
また選手の皆さんは体脂肪率が低いので、てっきり油分断ちしているものだと思っていましたが。
全く脂っこいものを摂らないわけではないんですね。甘いものもお好きなようで。桑原選手の熊本名物の「陣太鼓」のお土産も仲間内では好評なようです。
女性との交際……この6人の中には、現役を続けながらという器用な方はいらっしゃらない感じでした。少なくとも北京が終わるまで女性の影を見ることはないように思います。
RKK熊本放送の清原アナウンサーが司会でした。この方の上手な絡みも相まって、場内は笑いが絶えませんでした。
もっと会話に間が開くのかなと思いましたが、そんな危惧は全く不要でした。
テンポよく話が進み、あっという間に終了時間。「えっ、もう終わり」そう感じるほどでした。
聞いたことのあるエピソードも、直接に聞くとその時の空気・緊張感が伝わりますね。
この日の熊本は、とても冷え込んでいたのですが、とてもアツイ1日となりました。
貴重なレポートやご感想、ありがとうございました。
皆さんのおかげで、参加できなかった地方の方々にも様子が伝わったと思います。
2日目の公開練習と体操教室は写真を中心にお楽しみください。