長谷川がユニバ代表に
NHK杯「ほっと一息」
第56回NHK杯体操(5月20、21日、東京体育館)に徳洲会体操クラブの武田一志、長谷川智将、川本稜馬が出場した。同大会は4月の全日本体操競技選手権大会の上位30人が出場し、得点が持ち越される形で競い合う。
武田は得意のつり輪で14.700と高得点を出したものの、全般的に点数を伸ばせず7位。悔やみながらも「今までと違い、今回はミスしても最後まで気持ちを切らさず踏ん張れた」と手応えも口にした。
長谷川は得意のあん馬で勢いを付けたかったが、落下などでつまずき、ほかの種目でもミスを連発。21位と全日本から10以上順位を下げた。しかし、全日本を含めた得点と、ほかの選手との組み合わせから、8月のユニバーシアード(台湾)の男子体操代表選手に選出された。
長谷川は「今年の最低限の目標だったので、ほっとした」としながらも、「全日本の“貯金”あっての選出」と笑顔はなく、「(NHK杯の)借りは返す」と前を向いた。川本は安定した演技で17位。3選手で唯一、全日本から順位を上げた。
今大会では、第71回全日本体操競技種目別選手権大会(6月24、25日、高崎アリーナ)トライアルも行われ、徳洲会体操クラブから6選手が出場。主将の亀山耕平が、あん馬で14.900と高得点を叩き出し、6月25日の決勝に向け弾みを付けた。それでも亀山は「自分としては悔しい演技。成功とか失敗というレベルではなく、見た人が感動する演技をすることが求められていると思う」と、さらなる高みを目指す。
米田功監督は各選手の力を評価しつつも、とくに若手に対し、もうワンランク上のレベルに達する必要性を強調。「亀山は練習でつねに安定した演技ができますが、それでも本番で少し硬くなることもある。1種目だろうが6種目だろうが、完璧を求める過程は変わらない。世界チャンピオンの経験をもつ選手がいるのが徳洲会の強み。後輩は亀山の練習を少しでも盗んでほしい」と口調は厳しい。
徳洲新聞2017年(平成29年)6/12 NO.1086 より