亀山主将 あん馬王者返り咲きならず 世界体操競技選手権大会
第47回世界体操競技選手権大会(10月2~8日、カナダ・モントリオール)に徳洲会体操クラブの亀山耕平主将が出場。種目別のあん馬で3大会ぶりの優勝を狙ったが、無念の予選敗退となった。
日本を出発する前には壮行会を開き、同クラブ所属の子ども達から、寄せ書きや花束が贈られたほか、米田功監督が「自分の演技を出しきってほしい」と力強くエール。亀山は「自分の姿を見て、何かを感じてもらえるような演技を」と決意表明した。現地入りしてからも器具の感触を入念に確かめるなど順調に調整し、本番に臨んだ。
前半は、ふだんどおりの美しい演技を披露したが、後半にバランスを崩し、立て直そうとする際に足が開いてしまい減点。14.066と点数が伸びず、17位に終わった。「多くの方々に支えられ、また引退を迷ったものの現役続行を決め、再び日本代表として戦えることになったので、心に期するものはあったのですが……」と亀山。
沈黙した後、振り絞るような声で「あらためて体操の難しさ、力を出しきれる選手が強いということを感じました」と口惜しさをにじませた。
米田監督は亀山の今後について、より攻める気持ちで挑む重要性を強調。リオ五輪の最終選考会で見せた亀山の演技を挙げ、「本当に素晴らしかった。代表には選ばれなかったものの、何人もの方々から『優勝してもおかしくない演技だった』との声をいただきました。見る人の心を打つ演技ができたのは、五輪出場に向け強い気持ちで臨んだからだと思います」と指摘。
東京五輪をラストチャンスと考えると「今後の大会はさらに重要性は増してくる」とし、「守りに入って自分の演技ができないまま最後を迎えるのか、それとも攻める演技で現役を終えたいのか、大会中に亀山と話し合いました」と明かした。現時点では、今シーズンの残りの大会に出場するかは未定だが、亀山は強い口調で「まだ競技をやめるつもりはありません」と前を向いている。
徳洲新聞2017年(平成29年)10/16 NO.1104 より