世界選手権を決める【田中と亀山】—-全日本体操種目別選手権

徳洲会体操クラブ 田中選手

田中は平行棒で失敗したものの、最後まで果敢に攻めた

第67回全日本体操種目別選手権大会が6月29日から2日間、東京体育館で開催され、徳洲会体操クラブの田中和仁、亀山耕平が世界選手権出場を決めた。これまで世界選手権の出場枠6人中2人は内定していたが、残った4枠に、先に開かれた全日本体操競技個人総合選手権大会とNHK杯の種目総ポイントの順位により徳洲会の田中、亀山、齊藤優佑の3選手が食い込んでいた。今大会で他選手が派遣標準得点以上の点を出さなければ、徳洲会から3選手が世界選手権への出場を決めるはずだった。

しかし、初戦の床で大番狂わせが起きた。16歳の高校生、白井健三(岸根高校)が派遣点をクリア。その時点で白井の世界選手権出場が決定し、出場枠は残り3人となった。そうしたなか亀山は得意のあん馬に出場し前半、難しい技もリズム良くきれいにこなしていたが、後半、バランスを崩して落下、14.200と悔しい結果となった。

齊藤もまた、得意の跳馬で着地に失敗。14.950と跳馬トップクラスの齊藤にしては珍しく低い点数が付いた。しかし、鉄棒ではしっかりと気持ちを切り替え、果敢に高難度の技に挑み、NHK杯までの総合ポイントで東アジア大会の出場権利をもぎ取った。

徳洲会体操クラブ 亀山選手

美しさに定評のある亀山のあん馬


田中は、あん馬、つり輪、平行棒、鉄棒の4種目に出場。あん馬とつり輪は安定感のある貫禄の演技を披露したが、最も期待されていた平行棒で最後に態勢を崩し、着地に失敗。

それまで安定感のある美しい演技を披露していただけに残念な結果となってしまった。ただ、失敗を引きずらず、鉄棒では離れ技をしっかりと決めていた。

今大会では、最初の床以外では派遣点を超える点数が出なかったため、田中、亀山の両選手の世界選手権出場が決定した。田中は、平行棒での失敗に触れ、「世界では安定した演技ができるよう練習を頑張ります」と力強い笑顔。亀山は、「あん馬は得意な種目なので、攻めていきました。今回の反省を生かし、世界選手権でメダルを取りたい」と意気込んでいる。

米田功監督は、「失敗を繰り返してこそ強くなるもの。今大会が良い経験になるようコーチ陣で選手を支えていきます」と誓った。