徳洲会体操クラブ 団体日本一3連覇達成!! 種目別では出場種目すべて表彰台
徳洲会体操クラブは11月23日から2日間、三重県で行われた第78回全日本体操団体選手権/第78回全日本体操種目別選手権に出場、日本一のチームを決定する団体で接戦を制し、見事、3連覇を達成。6種目の各スペシャリスト日本一を決める種目別では、つり輪で髙橋一矢副主将、平行棒で川上翔平が優勝した。両種目を含め所属選手が出場した5種目すべてで表彰台に上がり、今シーズンの有終の美を飾った。同25日には米田功監督、コーチ、選手が大会会場に近い四日市徳新会病院を訪問、団体優勝を報告するとともに、ミニトークショーなどを行い、患者さんや地域の方、職員らを元気づけた。
2024年シーズンの締めくくりとなる団体選手権と種目別選手権。まず23日に団体選手権が行われ、徳洲会体操クラブは杉野正尭主将、髙橋、上山廉太郎、北園丈琉、川上、岡慎之助の6人で臨んだ。大会は各種目3人ずつ演技し、合計18演技の総得点を競う。
1種目のゆかは上山、岡、北園の3人が演技。順調な滑り出しでチームを勢いづけたかったが、北園が「いつもより(準備が)早くなってしまった」と、最後の着地をミス。前に倒れ込むような格好で手を着き、12.800にとどまった。
その後も各種目で思うように点数を伸ばせず、首位を走ってはいたものの、5種目目の平行棒が終わった時点で、ライバルのセントラルスポーツに抜かれ2位に陥落。0.233差で最終種目の鉄棒を迎えた。しかし、岡と川上の21歳コンビが安定した演技で、共に14点台をマーク。逆転し2位と0.934差で3連覇を果たした。
杉野は大会前日のミーティングで、メンバーに「3連覇は絶対にしよう。日本のトップというより世界を牽引できるようなチームになるには、3連覇というひとつの通過点を大事にしていこう」と鼓舞。「プレッシャーもありましたが、強い思いで挑みました」と、僅差ながらも、きちんと“通過点”としたことに笑顔をのぞかせた。
髙橋も「3連覇できて、ほっとしました。負けられないと思っていた。苦しみながらも競り勝ったことは今後のチームに必ず生きてくる」と語気を強めた。
米田監督は開口一番、「思ったよりミスが多かった」と振り返り、事前に想定していた試合運びにはならなかったことを明かした。「最後の鉄棒で2位と3点以上の差が開いていたら、川上とはフルの構成で演技しようと話していました。正直、負けている状態で最終種目を迎えると思っていませんでした」。セントラルの地力をたたえつつ、「勝ちながら反省できることは大事」と強調した。
翌24日に種目別選手権が行われ、ゆかで岡が3位、あん馬で杉野が2位、つり輪で髙橋が優勝、平行棒で川上と北園が1、2位、鉄棒は川上が2位、杉野が3位と、跳馬を除く出場全5種目で徳洲会体操クラブの選手が表彰台に上がった。
平行棒では決勝に進んだ8人のうち4人が同クラブの選手。鉄棒では優勝に届かなかったものの、杉野も川上も15点台をマーク。両日通じて最終種目ということもあり、美しく力強い演技で観客を大いに沸かせた。岡も決勝に残って演技したが、手放し技で鉄棒に鼻を打ち付け出血するアクシデントに見舞われた。それでも新技も入れた構成の演技をやりとおした。
2種目で表彰台に上がった川上は団体の平行棒で成功しなかった新技に、翌日の種目別で再び挑み成功。「(ミスが)頭に残っていたが、思いきりやらないと成功しないと思い、結果的に、それが良かったです。自信になりました」。米田監督も「杉野、岡、北園は実績があるので高い評価を得やすい一方、川上は未知数。しかし、今回で周囲の期待値を上げたと思います」と納得顔だった。
ミニトークショーで交流
大会の会場が四日市市総合体育館だったことから、翌25日に昨年同様、四日市病院を米田監督、コーチ、団体選手権に出場した選手6人が訪問。病院のロビーには、患者さんや地域の方、職員など総勢70人が集まり熱烈な歓迎を受けた。選手らは、あらためて団体3連覇を成し遂げたことを報告し、応援していただいた方への謝意を表明。その後、ミニトークショーを行い、「体操を続けてこられたモチベーション」、「緊張感と向き合う方法」といった質問に選手が答えた。
恒例のデモンストレーションも披露。短い時間ながら交流する時間も設け「おめでとう」、「ありがとう」と声が上がっていた。同院の伊藤泰江・事務責任者は「私たちの知っている選手を地域の皆さんと一緒に応援できて良かったです。職員含め、その場にいる方々の充実感につながるイベントになりました」と高揚していた。