豊田国際で亀山選手が王者の貫録

2014年の活躍をガッツポーズで誓う亀山選手(左)と米田功監督

2014年の活躍をガッツポーズで誓う亀山選手(左)と米田功監督

プレッシャーに弱かった亀山耕平選手(徳洲会体操クラブ)が見違えるような勝負強さを見せている。得意のあん馬で、昨年9月末の世界選手権・金メダルに続き、12月に開催された「豊田国際体操競技大会」でも優勝をさらった。
通常、選手は3カ月から半年かけ技や体調を試合に向けて調整するが、世界選手権と豊田国際の間はわずか2カ月。大きな大会後すぐに調子を上げるのは難しく、亀山選手も豊田国際では前半、倒立で大きく姿勢を崩すなど疲れを見せた。
しかし、そこでぐっと踏みとどまり、立て直すのが今の亀山選手。後半は美しい演技を披露し、王者の貫録を見せつけた。落下と紙一重のところで立て直せたのは、ホームならではの温かい雰囲気と、「先に演技した白井健三選手がゆかで優勝していたので、日本の良い流れを壊したくなかった」(亀山選手)というナショナルチームの一員としての強い思いがあったからだ。この気迫こそが優勝を引き寄せた。
亀山選手は「今年はさらに技の難度を上げるとともに、美しく完成度の高い演技を披露したい」と力強い笑顔。2016年のリオ五輪まであと2年――。「誰も追い付けない高みに行く」と断言する亀山選手の今年は、あん“馬” でさらなる飛躍の年になることを期待したい。

徳洲新聞2014年(平成26年)1/13  NO.911 より