リオ五輪へ好発進 全日本体操競技個人総合

齊藤 鉄棒H難度決めた!

鉄棒で齊藤は内村航平選手(コナミ)を上回る会心の演技を披露

鉄棒で齊藤は内村航平選手(コナミ)を上回る
会心の演技を披露

第70回全日本体操競技選手権大会が4月1日から3日間、東京・代々木第一体育館で行われ、徳洲会体操クラブの9選手が出場した。このうち、とくに齊藤優佑が8月のブラジル・リオデジャネイロ五輪に向け好スタートを切った。

齊藤は得意の鉄棒で、昨年から取り組んでいる最高難度の技「ブレットシュナイダー」(H難度)を今大会初披露。見事に成功させ16.000と全選手トップの得点をたたき出した。齊藤は跳馬をはじめ、ほかの種目も安定した演技で最終的に同率4位となり、個人総合、種目別(跳馬、鉄棒)のいずれでも日本代表に一歩近づいた。会心の演技に齊藤は「狙いどおり」とニヤリ。「(代表が決まる6月まで)残り2試合、同じような良い演技をしたい」と、気を引き締めていた。

亀山耕平もあん馬で安定した演技を見せ、15.500と高得点を獲得。同種目1位となり、種目別での代表入りに前進した。同じく、ゆか、跳馬で代表を目指す佐藤巧も予選で15点台をたたき出し、6月の全日本体操種目別選手権に向け順調ぶりをアピールした。

今大会では4月に入職した長谷川智将、岡準平がデビュー。長谷川はあん馬で力強い演技を見せ、15.450と亀山に次ぐ高得点をマーク。岡は1カ月前に足首をけがしたため、「我慢の大会でした」と振り返った。

2014年のアジア大会でメダルを獲得した山本雅賢をはじめ、武田一志、金子健三、瀬島龍三はミスなどで点数が伸び悩み、軒並み19位以下。五輪に向け厳しいスタートとなった。田中和仁主将は調整がうまくできず、予選落ちとなった。

米田功監督は「齊藤は最高の力が出せました。確かに目の前に代表が近づいています」と笑顔。亀山をはじめ各選手の今後にも期待を寄せた。日本代表選手の決定は6月。米田監督は「五輪の代表選考は、選手にとって身を削がれるというくらい神経・体力ともに消耗する厳しい戦い。クラブ一丸で戦いきりたい」と、決意を新たにしていた。

徳洲新聞2016年(平成28年)4/25  NO.1028 より