全日本体操個人総合選手権 武田が日本代表“射程圏内”
徳洲会体操クラブは第71回全日本体操個人総合選手権(4月7~9日、東京体育館)に出場した。このうち武田一志はブラジル・リオデジャネイロ五輪代表組の一角を崩し、5位に食い込んだ。ほかに8月のユニバーシアード(台湾)出場を狙う長谷川智将、6月の全日本体操競技種目別選手権で優勝を狙う亀山耕平主将、佐藤巧らが好スタートを切った。
ユニバ・種目別狙う選手も好位置
体操界の通例として毎回、五輪後にルールが変わる。昨年のリオ五輪後でもルールが見直され、今シーズンからは1種目に盛り込める技の数が減少したり、Eスコア(演技の美しさ)が厳格化したりするなど、従前よりも点数が出にくい内容になった。
各チームの戦い方が注目されるなか、徳洲会体操クラブからは11選手が出場。武田、山本雅賢、長谷川、川本稜馬の4選手が予選を突破した。なかでも気を吐いたのが武田。8位で予選を突破すると、あん馬以外で14点台をたたき出すなど安定した演技で順位を上げ、5位に食い込んだ。得意種目のつり輪では、決勝に出場した全選手のなかでトップタイの14.650をマーク、見せ場をつくった。
長谷川も得意のあん馬でトップの14.750を出すなど、予選11位から順位を1つ上げてフィニッシュ、8月のユニバーシアードの代表選出に向け好位置に付けた。川本、山本はミスが響き、予選よりも順位を下げた。
今大会1日目の得点は第71回全日本体操競技種目別選手権(6月24~25日、群馬県高崎市)の予選として適用され、あん馬では亀山主将が長谷川を上回る15.250をマークしトップ。ほかに佐藤が跳馬で3位に入るなど種目別選手権に期待を抱かせる結果となった。
米田功監督は「おおむねやろうとしていたことはできていた」と手応えを示し、とくに武田の5位について「ここ数年の日本代表(5枠)は特定の選手の“指定席”。その一角に食い込む順位で終われたことは、今の徳洲会にとって大きな意義がある」と強調した。
「オリンピックがリオから東京に切り替わっていくなかで、今は体操界の世代交代が起こる大事な時期」と指摘する米田監督は、「個人総合では武田、長谷川あたりが徳洲会のトップになるので、確実にナショナル選手(12位以内)になるように」と若手の台頭に期待を寄せる。もちろん、種目別でも世界を意識。「種目別選手権に優勝すれば自ずと10月の世界選手権の代表候補選手に選ばれる。亀山と長谷川はあん馬、武田はつり輪、佐藤は跳馬、山本と齊藤優佑は鉄棒が狙える」とベテラン勢にも奮起を促し、「いろいろな可能性を広げたい」と力を込める。
徳洲新聞2017年(平成29年)5/1 NO.1080 より