「身長139㎝」羽ばたけ“小さな巨人”
岡慎之助選手が第1回世界ジュニアへ
徳洲会体操クラブは5月に高校生の岡慎之助を迎え入れた。中学校を卒業したばかりの15歳。高校生が所属するのは同クラブで初めて。体操界でも中学卒業後にシニアのトップチームに加入するのはきわめて珍しい。
岡はアテネ五輪(2004年)の体操男子団体総合で金メダルを獲得した米田功監督の演技に憧れ、4歳で体操を開始。「保育園児の頃には、すでに逆上がりができた」ことから、周囲の勧めもあり、地元・岡山県の体操クラブに所属するなど本格的に体操の道に進んだ。
すぐに才能は開花。第12回フィーチャーカップ(15年、オーストリア)では団体と個人総合(U14)で優勝、第15回アジアジュニア体操競技選手権(18年、インドネシア)では団体で銀メダル、個人総合で銅メダル、種目別の鉄棒で金メダルを獲得するなど、国内はもとより海外でも輝かしい実積を誇る。
中学卒業後、地元の高校を考えていたものの、「より力を付けるため」に社会人のトップチームに所属することを決意。神奈川県内の学校を選び、一人暮らしを始めた。「まだ、ご飯がうまく炊けないんです……」と、はにかむ岡。
クラブの練習拠点である「徳洲会スポーツセンターかまくら」には週6日訪れ、汗を流す。岡は「社会人選手と同じ空間で練習し、あらためて、すごいレベルで戦っていると刺激を受けます」と言うが、岡の加入が社会人選手にも刺激を与えている。「社会人になるとしないような基礎練習を岡がするので、それが社会人選手の刺激になっています」(米田監督)という。
岡は第1回世界ジュニア体操選手権(6月27~30日、ハンガリー)に日本代表として出場する。「1回目の記念すべき大会なので、ミスなくしっかり演技したいです」(岡)。身長139㎝の“小さな巨人”が世界に羽ばたく。
徳洲新聞2019年(令和元年)06/24 NO.1190 より