今シーズンが開幕 得意種目で高得点
まず全日本体操個人総合選手権
第72回全日本体操個人総合選手権が4月27から3日間、都内で開かれ(第72回全日本体操種目別選手権男子トライアウト同時開催)、徳洲会体操クラブの選手12人が出場。個人総合では田浦誠也、武田一志、瀬島龍三、岡準平、齊藤優佑の5人、種目別トライアウトでは亀山耕平主将、佐藤巧、梨本隆平、長谷川智將の4人が決勝に進んだ。個人総合では9位が最高だったものの、各選手が得意種目を生かす演技を見せた。
なかでも気を吐いたのが田浦と梨本。2人とも、この4月に入職したばかりの選手だ。一般的に、学生から社会人になると練習場所や生活リズムなど環境が変わるため、とくに春先の大会ではコンディションを整えるのが難しいと言われている。
しかし、田浦は得意の平行棒で予選・決勝ともに14点台後半をたたき出すなど、終始、安定した演技を披露。同クラブの出場選手のなかで最も高い順位で大会を終えた。「まったく緊張しなかった」と田浦。環境が変わることから、1月の時点で昨年と同じ演技構成で臨むと決めていたという。「新しい技などに取り組んでも、新たな環境の下で、どれだけできるかわからなかったので、従来どおりの演技で挑もうと決断しました」。
梨本は得意のあん馬に絞って出場。決勝では個人総合を含め全出場選手のなかで最も高い15.000をたたき出した。同じくスペシャリストの佐藤、亀山も安定した演技を披露。佐藤はゆかで14.400、跳馬で14.600、亀山はあん馬で14.933と手応えを感じさせる結果だった。米田功監督も「両選手とも順調。演技を高く評価してもらい自信につながったと思う」と胸をなで下ろす。
武田と長谷川は個人総合で上位進出が期待されていたが、武田は決勝で高得点を出したものの予選での出遅れが響き15位。長谷川は予選落ちとなった。米田監督もナショナル入り(12位以内)を期待していただけに、「まだまだ(実力不足)」と言葉少なめ。それでも、予選・決勝通じて武田はつり輪と平行棒、長谷川はあん馬で14点台後半を残し、それぞれ得意種目で意地を見せた。
大会後、米田監督はクラブの現状について「正直、今はオールラウンダーでトップを狙うのは厳しい」と冷静に分析しつつも、「各選手の得意種目は十分勝負できるレベル」と断言。「日本代表は、さまざまな選手を組み合わせチームとしての総点数が最大になるように選出されます。そのため1種目でも高い点数を出せる種目があれば代表に選ばれるチャンスがあります。当クラブの選手がひとりでも多く世界に出ていくことを目指したい」。
このほか、瀬島22位、岡23位、齊藤27位だった。
徳洲新聞2018年(平成30年)5/21 NO.1134 より