新春特別企画 徳洲会体操クラブ特集 復活の狼煙を上げる!
一人でも多く日本代表入りへ
2015年は”プレ五輪イヤー“。
ブラジル・リオデジャネイロオリンピックを16年に控え、徳洲会体操クラブにとって重要な1年になる。
国内外の大会で結果を出し、所属選手を日本代表に送り出す青写真を米田功監督はどう描いているのか、インタビューした。
選手・スタッフには、プレ五輪イヤーにかける思いを色紙に記してもらった。
Road to 2016 Games of the ⅩⅩⅩⅠ Olympiad
―リオ五輪が迫ってきました。15年の目標は?
米田 とにかく選手が日本代表に入ること。五輪に出て金メダルを日本にもち帰ることが、徳洲会にとって大事です。アテネ五輪の時、徳洲会関係者が本当に喜んでくれました。あの光景をもう一度見たいんです。
現実的な目標は2人以上です。日本代表の下のナショナル選手は12人中半数を占めたいと考えています。そうなれば体操界での影響力も大きくなるでしょう。
―各選手のポイントは?
米田 主将の田中は、6種目すべてで失敗しないこと。今までは圧倒的な強さで多少失敗しても代表に入っていましたが、オールラウンダーの強い選手が複数いる今、得意種目で挽回するといった勝負はできません。
亀山は、あん馬を完璧に仕上げること。結果を出しているので、今までしてきたことを継続する忍耐と、絶対に勝つ執念が鍵となるでしょう。
齊藤と山本は、チームの浮沈がかかっているというくらい大事な役割を担っています。本人たちも自覚していると思いますが、とにかく結果を出すことです。
佐藤は、14年から床、つり輪、あん馬の3種目に絞り、グンと伸びました。亀山もそうですが、特定の種目を正確に演技できれば代表に入れるし、しかも日本に不可欠な存在になれる。佐藤の挑戦は、これまでオールラウンダー重視の日本体操界の可能性を広げることだと思っています。
瀬島は、僕が監督に就任してから初めて入職する選手で、今までのやり方を見ていないということもあり、試行錯誤の一年でした。15年はもう少し的確なアドバイスを送れるでしょう。
―練習法など変更は?
米田 状況によって時間や課題を増やしましたが、根底にある大切なことは“意識”です。「なぜ」、「何のために」、「どうなりたいか」など、目的意識がないと、練習の時間や量を変えても意味がない。結局、勝負のちょっとした差は意識の差に出てきます。僕は現役の頃、日本代表に入ることしか考えていませんでした。その気持ちがあれば、大切な時間の使い方は自然とひとつに向かいます。練習なんて何てことはない。できないことがあっても、そこで気持ちを振り回されて1日を無駄にしたりはしませんでした。
14年11月に合宿を行い、「トップであり続けるチームになるためには」というテーマで何が必要かを皆で考えました。僕自身、当クラブの低迷の要因のひとつに、「徳洲会体操クラブはこういうクラブだ」ということを後輩に受け継いでいなかったことだと感じています。伝統あるクラブに成長するには必要な取り組みだと思っています。
―監督のテーマは?
米田 「日々勉強」です。結果を出せる指導者に早くなるには勉強あるのみです。
―最後に応援してくれる方にメッセージを。
米田 15年のキャッチフレーズは「復活の狼煙(のろし)を上げる」。徳洲会がどう強くなっていくかを見てほしいと思います。
田中和仁主将 日本代表復帰が目標
左肩関節唇(しん)損傷による手術で満足いくシーズンではありませんでした。15 年は日本代表が目標。14年から選考会の日程が短縮され、ひとつのミスも許されない状況ですが、応援に来てくださる徳洲会グループ関係者の皆さんの目の前で結果を出したい。
齊藤優佑 目標すべてを実現したい
15年は五輪前年ということもあり、世界選手権で是が非でも日本代表を勝ち取り、良い演技をしたい。そのためには跳馬15.50、鉄棒16.00に限りなく近い点数が必要。最近、亀山を見て自分に足りないのは貪欲さと気付いたので、15年は目標をすべて実現したい。
亀山耕平 あん馬にさらに磨き
ロンドン五輪に出られず、オリンピックは4年スパンで考え、1年ずつの積み重ねが大事なことがわかりました。だから五輪前年でも特別な意識はありません。得意のあん馬を完璧に磨き上げたいと思っています。
山本雅賢 高度で美しい演技に注目
15年はコナミの内村航平選手、順天堂大学の加藤凌平選手に追い付き、個人総合で日本代表に選ばれたい。オフの間、6種目失敗しないために練習量を増やしました。6種目すべての高度で美しい演技を見てください。
佐藤巧 床・跳馬・つり輪で表彰台
14年から床、跳馬、つり輪の3種目に絞り、15年は全日本種目別で跳馬が優勝、床、つり輪で3位以内が目標です。とにかく日本代表に入って、世界で自分がどのレベルにいるのかを感じてみたいと思います。
瀬島龍三 2、3段飛ばす勢いで
14年は学生から社会人となり、試行錯誤の連続で体操人生のなかで最も大コケした年でした。15年は2段、3段飛ばす勢いで大きく飛躍したい。とくに瞬発力は内村選手にも負けていないと思うので、キレのある演技と着地に注目してください。
佐野友治ヘッドコーチ&新宅裕也コーチ 選手とともに成長を
佐野:選手をより強く信じることを心がけ、選手とともに成長していきたいと思います。
新宅:体操以外の部分でも気付いたことがあれば声をかけ、伝えたことを自ら実践します。
小林優紀・管理栄養士 明るくプラス思考で
食事のリクエストが出るなど、栄養に対する選手の関心が高まっているのを感じます。環境づくりが進むように笑顔で頑張ります。
徳洲新聞2015年(平成27年)1/1 NO.961 より