2020東京五輪へ臨戦態勢 高い壁越え代表の座を
いよいよ東京五輪に向け戦闘モード―。地元開催の夏季・五輪を1年後に控え、体操界では代表の座をかけた厳しい戦いが始まる。徳洲会体操クラブは2019年もオールラウンダーとスペシャリストの双方で日本代表を狙う。各選手や米田功監督の意気込みを聞いた。
徳洲会体操クラブ特集
オールラウンダーでは、18年の上位12人しか出場できない個人総合スーパーファイナルに出場した田浦誠也、同年のアジア競技大会に代表として出場した長谷川智將をはじめ、武田一志、丁子大樹らの活躍が期待される。しかし、19年の明るい材料は瀬島龍三の復活だ。13年に入職後、けがで満足のいくシーズンを一度も過ごせず、膝の手術は3度に及んだ。17年には体操人生で初めて予選落ちし、「正直、引退も考えた」(瀬島)という。
しかし、米田監督の言葉で思いとどまり、上半身の強化などに取り組んだ。それらが18年に結実し、つり輪や平行棒など上半身の力が求められる種目でも高得点をマークするようになった。「結果を残して復活のドラマを完成させたい」と意気込む瀬島。19年からは亀山耕平から主将を引き継ぎ、チームをけん引する。
一方、スペシャリストでは、佐藤巧がゆか、つり輪、跳馬、亀山と梨本隆平があん馬、岡準平がつり輪と平行棒を除く4種目で勝負する。種目別ワールドカップが2月から始まり、成績次第で11月にも東京五輪の切符を獲得できるため、佐藤は「年末年始は帰省もせず、正月返上で頑張ります」と語気を強める。
徳洲会体操クラブでは18年同様、月1回の入れ替え戦を行い、1軍と2軍に選手を振り分けるなど、チーム内の競争も促す。なお、新戦力は2人で、つり輪を得意とする早稲田大学の高橋一矢選手と、オールラウンダーである清風高等学校の石澤大翔選手が19年4月に入職予定。
新・主将インタビュー 瀬島龍三「輝く1年に」
―新キャプテンに就任して。
「最初は亀さんの後か……とプレッシャーに感じましたが、監督から『(亀山と)違った形でチームを引っ張ってくれると期待している』と声をかけていただき、吹っきれました。今は上の方からいろいろ学びつつ、誰よりもチームを強くしたいと思っています」
―ご自身の状態は?
「2018年はシーズンとおして全種目安定して演技できました。種目によってはチームのなかでトップの点数を出せるようにもなり、ようやく軸になれるという手応えを感じています」
―19年の目標は?
「個人では、まずNHK杯で12位以内になりナショナル入り、そして日本代表を目指します。チームでは秋の団体戦で優勝することです。長らく、けがに悩まされていたので、19年は復活を果たし、キラキラ輝く1年にしたいです」
海外修行の成果見せる
亀山耕平Kohei Kameyama
「どんな環境でも安定して演技できる力を付けようと、17、18年と海外の大会に多く参加。イレギュラーなことが起こりやすく、また自己主張が強い選手が多いなかで、良い経験を積んだ。2年間の成果を出し、19年はフィーバーな年に!!」
ピタリと着地決め飛躍!
佐藤巧Takumi Sato
「自分自身のことをよく理解できてきたせいか、精神的に落ち着いて演技できるようになってきた。19年は東京五輪に向けて、ロケットスタートを切りたい。着地が決まれば、五輪にぐっと近づけると思う。きっちり止めて、大きく飛躍したい」
平行棒でも力強さ見て
武田一志Kazuyuki Takeda
「個人総合3位以内。19年はそれしか考えていない。それをかなえるには、つり輪以外に、新たに平行棒を得意種目に加えたいと考えている。難度を上げるとともに、美しい倒立を決めるなど、自分のもち味である力強い演技を披露したい」
“自分らしさ”発揮したい
長谷川智將Tomomasa Hasegawa
「18年の世界選手権を見て、ダイナミックな演技で魅了する自分のスタイルと合っていると感じた。その意味で今年は良い1年になりそう。まずは世界選手権の代表に入ることが目標。観ている方に『長谷川ならいける!』と思わせたい」
種目を限定し代表に挑戦
岡準平Junpei Oka
「肩のけがで万全な状態ではないながらも、18年の後半は手応えをつかめた。ただ、19年は世界選手権の日本代表を確実に狙っていくために、肩の負担が大きいつり輪と平行棒を避け、残りの4種目で勝負する。難度も美しさも求めて海外勢に挑みたい」
得意種目伸ばし“覚醒”
丁子大樹Daiki Yorogo
「春先に出場した大会でうまくいかず、秋の全日本団体でメンバーに入れなかった18年。その悔しさを胸に、19年はナショナル入りを目指す。得意種目の鉄棒で上位選手と戦える技に挑んでいるので、春までに完成度を高めていきたい」
攻めの気持ち忘れずに
田浦誠也Seiya Taura
「学生から社会人へと環境が変わったが、やっていけるという手応えをつかんだ18年だった。19年は東京五輪につなげるために代表入りを狙う。攻めていかないと上には行けないと感じたので、攻めの気持ちを忘れずに戦いたい」
“ダークホース”狙う
梨本隆平Ryuhei Nashimoto
「18年は全日本種目別のあん馬で優勝することを目標に掲げていたが、右肩のけがで目標を達成できず悔しい1年だった。19年は東京五輪に向けた戦いが本格的に始まるので、あん馬でしっかりポイントを取って代表を狙っていきたい」
ロシアのようなインパクトを! 米田功監督19年を展望
「18年の世界体操競技選手権を見ると、今までの美しさに加え力強さや正確な演技も求められるようになりました。ずば抜けていたのがロシアの着地や倒立。まるでロボットのような精密な演技でした。当クラブもロシアにならうことが必要と思い、1日に3回、着地・倒立・力技の静止時間をテーマにした練習を全体で取り組んでいます。18年から導入した1、2軍の入れ替え制とあわせて行うことで、ロシアのようなインパクトを与えたいと思います。ただ、単に強いだけでなく、人としてのレベルも高めていけるクラブでありたいと思っています。努力を重ね、“世界を魅了する最強で最高のチーム”を目指します」
熱い声援で選手を奮い立たせよう!!
2019年の主な大会スケジュール(予定)
4月7日 | : | 2019体操ワールドカップ東京大会(東京都・武蔵野の森総合スポーツプラザ) |
4月26日~28日 | : | 第73回全日本体操競技選手権大会(群馬県・高崎アリーナ) |
5月18日、19日 | : | 第58回NHK杯体操(東京都・武蔵野の森総合スポーツプラザ) |
6月22日、23日 | : | 第73回全日本体操競技種目別選手権大会(群馬県・高崎アリーナ) |
8月30日~9月1日 | : | 第52回全日本シニア・マスターズ体操競技選手権大会(福井県) |
10月4日~13日 | : | 第49回世界体操競技選手権大会(ドイツ・シュツットガルト) |
11月9日、10日 | : | 第73回全日本体操競技団体選手権大会(群馬県・高崎アリーナ) |
”お年玉“読者プレゼント
全選手のサイン色紙を1人、選手のサイン入り2019年版カレンダーを3人の方にプレゼントします。
●応募方法 | : | ハガキに①住所、②氏名、③電話番号、④希望の品を記入のうえ、ご応募ください。 |
●宛先 | : | 〒102-0074 東京都千代田区九段南1-3-1東京堂千代田ビルディング14F 一般社団法人徳洲会広報部・読者プレゼント係 |
●締切 | : | 2019年1月18日(金)当日消印有効 |
※当選者は賞品の発送をもって、発表にかえさせていただきます。
※応募の際にいただいた個人情報は、当プレゼント当選者への賞品の発送ならびに発送に関する問い合わせのために利用します。なお法令により求められた場合を除き、当選者の承諾なく個人情報を第三者に提供することはありません。
徳洲新聞2019年(平成31年)01/01 NO.1166 より